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Viaggio mosaico

〜モザイクをめぐる旅〜

カラカラ浴場


カラカラ浴場のモザイク群 ローマ イタリア



4日前にSTUDIO MOSAICOからインスタでタグ付けされました。
カラカラ浴場を訪れた生徒さんからの写真だそうです。

せっかくなのでこちらでも一部を紹介します。
全てをご覧になりたい方はSTUDIO MOSAICOのインスタ、もしくはviaggio mosaicoのインスタの「タグ付けされたコンテンツ」でご覧になれます。(下図参照)

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どれも現地の興奮がそのまま伝わる、臨場感あふれる素敵な写真ばかりです。是非!
わたしもまた行きたくなりました。

カラカラ浴場といえば
セプティミウス・セウェルス帝の計画を引き継ぎ、ローマ帝国第22代皇帝カラカラがローマ市街の南端付近に造営したローマ浴場(byウィキペディア)
と、あるのですが、こちらの説明を見る度に、カラカラ帝の父親であるセウェルス帝の出身地に行きたくてたまらなくなります。リビアのレプティス・マグナ!!
いつかは行ける日が来るのでしょうか?



今後はこのような形で投稿された写真も記事に取り入れていくつもりですので、なにとぞよろしくお願いします。
インスタで投稿の際にviaggio_mosaicoでタグ付けか、#viaggiomosaicoのハッシュタグを付けていただいたものをリポストして記事にさせていただきます。

旅する皇帝のコレクション


カピトリーニ美術館「鳩のモザイク」 ローマ イタリア

ハドリアヌス帝は帝国の各地を回りながら様々な文化の影響を受けたそうですが、そのなかでもギリシア文化に傾倒していたそうです。
そんな彼が集めたモザイクは超一級品揃い!
そのなかでわたしが居所のわかるものをいくつかご紹介します。

まずはがこちらの「鳩のモザイク」です。

所蔵しているのはカピトリーニ美術館。
そう、あの「カピトリーノの雌狼」の像のあるところです。



久しぶりに写真を引っ張り出してみたら、彫像の足元はモザイクでびっしりでした。
当時は気にならなかったのか、床の写真ぜんぜんありません。

モザイクは新宮の「鳩の間」にありました。
完全に絵です。表面が大変滑らかで、光の反射を避けるのに相当苦労した記憶があります。
おなじみのウジ虫モザイクですが、あまりにも細かすぎてカメラに粒が写ってません。
カメラが代替わりしたので、もう一度行ってきちんと撮り直したいです。

カピトリーニ美術館にはモザイク以外にもハドリアヌスの別荘から発掘された彫像などあるそうです。
手元に該当のものの写真がなかったので、代わりに?モザイクと同じ展示室にあった赤銅色の石像を。
ティヴォリで発掘されたヘレニズム期のものらしいです。ハドリアヌスの影響で流行ったのでしょうか?


場所は変わってこちらはヴァチカン美術館です。
柵越しにしか見られないのが残念!


国境を越えてこちらはドイツ、ベルリンです。
Altes Museum(旧博物館)にあるのは「ヒョウと戦うケンタウロス」のモザイク

こちらリポストなので元のキャプションをご覧になりたい方はこちらへ
https://www.instagram.com/p/BvejbHJAIUH/?igshid=mi7uwrwjxors

以上でした。
リポストのアプリはやく決めなくちゃ。

旅する皇帝の別荘で


ヴィッラ・アドリアーナのモザイク群 ティヴォリ イタリア

本記事よりインスタグラムに連動するようになりました。
写真をクリックするとViaggio mosaicoでアップした他の写真も見られます。


久しぶりにイタリアの記事です。
ローマから北東に約30kmの街、ティヴォリの近くにヴィッラ・アドリアーナ(ハドリアヌス帝の別荘)があります。
ハドリアヌス帝といえば5賢帝の1人、彼は広大に広がり過ぎたローマ帝国の領土拡大を止め、内需拡大型の政策に代えたその人です。その経済政策のために領土内のあちこちを旅したと言われています。

そんな皇帝が作った別荘は各地を回った彼の趣味趣向がおおいに反映されています。
中でもギリシアとエジプトの影響を大きく受けたようです。



こちらの親水空間はカノプス、かつてエジプトのアレキサンドリアの郊外にあった町の名前です。カノプスにはセラピス神を祀る神殿(セラピウム)があり当時は有名な「癒しの町」だったそうです。ここでもそれに習って奥の方にはセラピウムが建てられています。
余談ですが、現在のアレキサンドリアの有名な観光地「ポンペイの柱」のそばにセラピウムの跡地があります。今では完全に町の中になりました。

この遺跡の中も足元を気にしていると、所々にモザイクがあります。特にカラフルなこちらのモザイク、たぶん大浴場か小浴場辺りかと思うのですが(あやふやですみません)細やかなサイズで作られていて、ギリシア風を意識して作らせたのかなとも思います。(追記:黄金広場にあるようです)

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モザイクがまとまって見られるのはホスピタリアと呼ばれる場所です。ホテルのようなものでしょうか?客室の一つ一つにはデザインの違うモノトーンのモザイクがあります。(トップ写真)
すごく細やかで美しいモザイクですがあまり手入れされておらず、すごく磨きたくて仕方ありませんでした。

重箱の隅っこのようなお話

Rom,_Basilika_San_Clemente,_Apsis_1
サン・クレメンテ・アル・ラテラーノ聖堂のモザイク ローマ イタリア

イタリア、ローマでおそらく一番メジャーな観光地と言えば、コロッセオですよね。
今回ご案内する教会はこのコロッセオから歩いて数分、サン・ジョバンニ・イン・ラテラノ聖堂へ向かう道の途中にあります。
モザイク好きなら、行ったことがある方も多いのではないでしょうか?
モザイクだけではなく地下には1世紀頃のローマ時代の遺構や4世紀のミトラ教の教会跡等があるので、一見の価値があるところです。

ここのモザイクと言えば、このぶどうの蔓がぐるぐるしている絵柄が印象的です。「エデンの園」を表しているのだそう。
以前のブログでも紹介したことがありますが、ぶどうの木はキリスト自身の象徴でもあります。
キリストの愛に抱かれ、生き生きとした人々や鳥たちがいる様子はまさに楽園のようです。

ただ今回注目したいのは、この半ドームのエリアではなくその右側、巻物を持つ聖人エレミアの足もとにある街のモザイクなのです。

その部分だけをアップにしたものがこちら

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アップにしてもかなり小さいのですが、街の入り口の階段のところににわとりがいるのがわかるでしょうか?
後陣にもたっぷりと鳥がいるので違和感がないと言えばないのですが、それでもなにか意味深な感じがします。

こちらのモザイクはエルサレムの街を表しているものです。
おそらくこれは聖ペテロについて言及しているのでは、と推察されている方がいるのです。

エルサレム、聖ペテロ、にわとり、、、、、
そういえば聖書にこれを連想するエピソードありましたよね?

キリストが最後の晩餐のあとにペテロに告げるのです。
「明日の朝、にわとりが鳴く前に、お前は私を知らないと3度言うだろう」
ペテロはそんなことは決して無いと大いに否定します。
しかしゲッセマネの園でイエスが捕らえられた時に、弟子たちはイエスを見捨て、ペテロは詰問に耐え切れず「知らない、知らない」を繰り返します。
そして3度目に同じ言葉を発した時、にわとりが鳴き、はっと我にかえるのです。

聖書の中でもとても印象的なシーンです。

なんとこんな線画のようなにわとりから、こんな壮大なバックグラウンドが隠されているとは思いもしませんでした。

もしローマに行く機会があれば、見に行ってみてください。
私ももう一度実物を見てみたいものです。

ちなみにこちらの教会ですが、以前行った時に撮影を断念した記憶があるので、写真撮影は禁止だったはずです。
基本的にこのブログは自分で撮影した写真を掲載してますが、今回はこちらのページから拝借して使用致しました。
https://en.wikipedia.org/wiki/San_Clemente_al_Laterano#/media/File:Rom,_Basilika_San_Clemente,_Apsis_1.jpg

お気に入りの町で偶然見つけたモザイク

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ローマの家のモザイク群 スポレート イタリア

私がいた頃ローマ駐在の奥様達の間で人気のあったのがスポレートでした。
日帰りで行って来られる距離で、町もこじんまりと可愛くて、ただ散歩しているだけでも楽しめる美しい町です。
観光客が多すぎないところもいい! 今もあの頃のままだといいなあ。

スポレートはウンブリア州にあります。
道ゆく景色もポップなグリーンのトスカーナとは違って、深くシブい色合いです。

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スポレートの遠景
要塞があって橋があってなかなかドラマチックなつくりでしょう?

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小さな町ですが見所が豊富です。

町に入る前、モンテルーコの丘の裾野に建つサン・ピエトロ寺院。ファサードのレリーフがキュートで面白いです。
12〜13世紀のロマネスク建築。

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町の外側にもう一つ、ルチアーノの丘に建つサン・サルバトーレ教会。
4~5世紀ごろに建てられたもので、素朴な石の美しさが楽しめます。

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  *

塔の橋 高さ80m 長さ230m(とプレートにあった)
橋はローマ時代に既に存在していたそうですが、現在の形に建て替えられたのが13世紀。

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抜群の景色で住民の憩いの場にもなっていました。

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ここからはフラミニア街道が見通せます。

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ドゥルーゾの凱旋門 1世紀
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サン・アンサノ教会 
地下には紀元1世紀の古代ローマ神殿の遺跡が見られるそうですが、それよりも壁画に釘付けでした。
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メルカート広場の噴水
これは結構新しいものだけど(といっても18世紀くらい?)
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地下じゃないちゃんとしたローマ遺跡もありました。
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他にも思わず写真に撮ってしまうものが色々と。
細い路地には猫が似合う。
アートのようなショウウィンドウ。

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ウンブリア州といえばトリュフを使ったお料理。
スポレートは黒トリュフが有名なのだそう。
削りたての黒トリュフの香りを楽しみながらパスタなぞいかがでしょう?

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では本題のモザイクを見つけた場所をご紹介します。
目的地はこちらの市庁舎です。

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現代の時計の下に日時計もついた印象的な外観なのですぐにわかると思います。
この建物の脇のあたりで偶然、Casa Romanaという看板を見つけました。確か坂か階段を下がったところだったと記憶してます。道からちょうど地階にアクセスできる感じでした。

遺跡みたいなのでちょっと見てみようか、と入ってみたらモザイクだらけにびっくり。
しかも1部屋だけじゃなくて次々と出てくるのにもさらにびっくり。
偶然見つけたにしてはなかなかのクォリティだと思いませんか?

casa Romana

白黒で幾何学模様だらけですが。
こちらの図面のカラーになってる部分が全てモザイクで覆われてました!

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スポレートといえばもう1つ重要な見所、サンタマリア・アッスンタ聖堂、別名ドゥオモがあります。
中央礼拝堂後陣にフィリッポ・リッピの遺作となったフレスコ画があることで有名です。

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「聖母戴冠」

床張りもとても美しく、、、

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ファサードには13世紀ごろのビザンチン様式のモザイク画あります。

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8つもあるバラ窓が印象的なロマネスク様式のファサードです。

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「キリストと聖母と福音書記者聖ジョヴァンニ」

でも私にとってこの教会で一番印象的だったのは、このアプローチの優雅さでした。

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ローマの教会にバーン=ジョーンズ

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バーン=ジョーンズのモザイク作品群 サンパウロ・エントロ・レ・ムーラ教会 ローマ イタリア

ローマのナツィオナーレ通り沿い、ローマ三越近辺をそぞろ歩いていると、レンガ色と白色のストライプ模様の印象的な教会が目に付きます。
この教会がサンパウロ・エントロ・レ・ムーラ教会、英語圏の方のためのプロテスタント教会です。
音響効果がよいということでよくオペラやクラシックコンサートが行われています。中にモザイクがあるらしいとは知っていたのですが、近年の作品だからとずっと後回しになっていました。

そんなある時アート好きのお友達に
「あの教会まだ行ってないの? あそこのモザイク、ラファエル前派のバーン=ジョーンズのものよ。行かなきゃだめよ!すごく良かったわよ」
と勧められ、ようやく足を運びました。

あまりにも見慣れた過ぎたため教会の全体像の写真を撮っていなかったようです、残念。
ナッツィオナーレ通りに面した扉(聖なる扉)の上にも早速モザイク(ジョージ・ウィリアム・ブレックの「4人の布教者」)です。

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入り口は通りから奥まったところにあります。すぐそばの喧騒が嘘のような緑まぶしいエントランスです。

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中は誰もいません。やはり知る人ぞ知る教会ってことなのでしょうか。
最初に目に付いたモザイクはバーン=ジョーンズではありません。こちらもジョージ・ウィリアム・ブレックの作品「キリストの誕生」です。

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モザイク以外にもステンドグラスやタイル、絵画など目に鮮やかな作品がいろいろと目に入ってきます。

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ちょっとキョロキョロしてしまいました。さて正面です。
この通りバーン=ジョーンズのモザイクは祭壇周り全面的に施されています。

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一番手前の凱旋アーチにあるのが『受胎告知』
古典的な作品とは全く違い、リアルな風景の前に立つマリア様。茜色の空が印象的です。

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そのもう一つ向こうの凱旋アーチには善悪の知恵の樹の前に立ち、アダムとイブに両手を差し伸べるイエスを表した『赦しの樹』が描かれてます。
角度の関係で写真が足元しか撮れていません。
参考までにモザイクのための習作「生命の木(原画)」ヴィクトリア&アルバート美術館所蔵、を載せておきます。

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2つのアーチを超えたその向こうに「キリストの栄光」があります

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教会を見守るキリスト、左右に控えるのは大天使です。

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天井部分
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後陣の下の方は「地上の教会」

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預言者たち
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左は聖女たち、右手には騎士がいます。
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群像の描き方はさすがに圧巻です。
女性の描写に、ラファエル前派のバーン=ジョーンズなるものを感じました。

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このリアルな人々の描写の中には教会の建立に貢献した人たちがモデルとして描かれているそうです。
聖人たちのグループの中には教会の寄付を行ったJ.P.モルガン、騎士たちの中にはリンカーンやグラントの姿があるとか。
じっくりと探してみるのも楽しいかも。

ローマの教会では異色の空間ですが、こういうのもたまにはいかがでしょう?
お買い物ついでにぜひ!

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