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Viaggio mosaico

〜モザイクをめぐる旅〜

サンマリノへの途中に

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Domus del Mitoのモザイク群 サンタンジェロ・イン・ヴァド イタリア

過去アルバムを探っていると思わぬところにモザイクが眠ってました。
どうもサンマリノへ向かう道すがらにひとつ見ていたみたいです。

唯一の手がかりが Domus del Mito という名前でした。神話の邸宅とでも訳せばいいでしょうか。

場所はこんな感じです。ウルビノの西南西20キロ程のところにあるサンタンジェロ・イン・ヴァドにありました。



ひまわりの咲く季節に出かけたようです。データをみると6年前の7月でした。
サイトの入口はベンチがあるだけで、大きな看板もなく知らない人は絶対わからないです。
多分トイレとかもなかったかも。
よく見たらパネルはあります。

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ベンチの写真の奥の方にある建物の中にモザイクがあります。
パネルをみると思いの外モザイクのあるフロアーが多いことに気づきます。

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意外といける?と期待して入ると

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床、めっちゃ波打っているんですけど(笑)

神話の邸宅というだけあって、神話をモチーフにしたモザイクがいくつかあります。

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ヒッポカムポスに引かれた戦車に乗るネプチューンとアンフィトリーテ

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中央にいるのはディオニソス

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こちらは随分と分かりにくかったですが、メデューサですね。

一番見事だったのがトリクリニウムに当たる場所にあったこちらのモザイク
狩りのシーンと漁のシーンが描かれてました。
それ以外の場所もひとつひとつ細やかに作られてます。

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せっかくなのでついでにサンマリノの写真もいくつか。

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夏休み気分にはぴったりの写真ですね。
また行きたいな。

ミラノだってモザイク その2

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サン・ロレンツォ・マッジョーレ聖堂内、聖アクイリーノ礼拝堂のモザイク ミラノ イタリア

前回に引き続き、ミラノの初期キリスト教時代のモザイクです。
今回はさらに古く紀元前4世紀!!のころののモザイク画、初期キリスト教時代の中でも最古クラスです。
ミラノのモザイクも侮るなかれです。

サン・ロレンツォ・マッジョーレ聖堂の前にはローマ時代の16本のコリント式列柱がずらりと並んでいます。
そして正面にはコンスタンティヌス1世の像、ミラノ勅令を記念して建てられたもののレプリカです。
まさに4世紀の世界さながらという感じです。

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サン・ロレンツォ・マッジョーレ聖堂はもともと4世紀末から5世紀にかけて建てられたものなのですが、何世紀もかけて改装や改築を重ねてきたので、表から見る限りはそんなに古い教会とは思えません。
内部は装飾もあまりなく簡素です。奥行きを感じさせない集中式プランで作られているのでビザンティン教会や正教会を思わせます。
前回のサンタンブロージョ教会は以前のバシリカをそのまま継続して使っていたのに対し、こちらはミラノ勅令後にわざわざ新たに建てられた教会なのです。しかも当時流行りのビザンティン様式です。どことなく権威的なものを感じます。

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では聖堂の右奥にある聖アクイリーノ礼拝堂に進みましょう。

礼拝堂の中はがらんとしててとっても暗く、窓からの採光が頼りです。もし日程に余裕があるなら天気や時間帯を考えて行った方がいいかもしれません。
八角形の空間は洗礼堂とも霊廟とも言われているようですが、私はローマのサンタ・コンスタンツァ廟を思い出しました。
八角形のうち出入口を除くそれぞれの面にニッチがありフレスコ画やモザイク画で装飾されています。モザイク画が残っていたのは2面だけでした。

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そのうち完全な形で残っているのは右手にあるわずかに1つだけ、こちらの「使徒に囲まれるキリスト」です。

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初期キリスト教時代の特徴の一つ、お髭がなく若々しいお顔のキリストです。

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周りにいるのは12人の使徒たち。キリストの右側巻物を手にしているのは聖パウロだそうです。

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お顔にも金色のテッセラが使われてて神々しいです。

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もう一方は損傷がかなり激しいですが、白い馬らしきものと羊飼いたちが見て取れます。
太陽の馬車で地球を照らしている様子を表しているそうで、「エリアの昇天」を表すと考えられていましたが sol invictus(不敗の太陽神)を表すと特定されたそうです。

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こちらはガッラ・プラキーディアの石棺と言われているものです。
でもなんで?ラヴェンナにブラキーディア廟があるのに不思議です。

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見終わって戻るときに前室部分にもモザイクがあるのに気付きました。聖人が並んでます。
同時代のものでしょうか?なかなかのクォリティだと思うのですが、残念ながら情報が見つかりませんでした。

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教会を出てもう一度この景色。
4世紀を堪能できるモザイク旅でした。

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ミラノだってモザイク

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サンタンブロージョ教会内、礼拝堂サン・ヴィットーレ・イン・チェル・ドーロのモザイク ミラノ イタリア

一般的にミラノってなぜかモザイクのイメージがないですよね。
「ミラノ モザイク」で検索をかけると出てくるのはほとんどガッレリアのモザイク。特にかかとでグルグルするあの雄牛のモザイクです。
他に見所も多くグルメやお買い物も楽しい街なのでついつい後回しになっちゃうのも仕方ないのでしょうが、この街にも初期キリスト教時代の魅力的な作品があります。なので2回に分けてご紹介したいと思います。

まず今回はミラノの守護聖人アンブロージョを祀るミラノ最古の教会、サンタンブロージョ教会です。
外観はこんな感じです。

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386年に建てられたと言われるだけあって素朴な感じ、、、と思いきや、9世紀と11〜12世紀ごろに大改築がありロンバルディアロマネスク建築の傑作と呼ばれるものとなってます。
鐘楼はバジリカ様式っぽいですけどね。古代の部分もいい感じに残して融合したのかも知れません。

中に入ると教会には珍しく回廊で囲まれた中庭がありました。
教会の前のアトリウム(中庭)で思い出したのがポレチュのエウフラシウス大聖堂です。ミラノ勅令がおりて間も無い4世紀ごろ、教会には入口前にアトリウムがあったという話がありました。同じ時代に建てられたサンタンブロージョ教会はちゃんとそのスタイルが残っていたのです!!

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この中庭にかわいいロマネスク装飾がありました。

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建物の中に入ったところです。
暗い内部の中、モザイクのある後陣だけライトアップされてました。

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前に進んでアップで見てみましょう

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手前にある天蓋の影が邪魔な感じです。
完全に邪魔者扱いにしてますが、本来はモザイクよりもこちらの方が価値のあるものだそうです。

後陣に配されたのはパントクラトールのモザイク。
オリジナルは4世紀に作られ9世紀に一度改修されてます。残念なことに第二次世界大戦の折に爆撃で破壊されてしまい、戦後残っていたテッセラを集めて作り直しました。
絵柄など初期キリスト教のような風合いを残していて、当時の雰囲気を楽しむには充分な出来です。
でも価値としては低いのかなぁ、あまり詳しい情報が載っているものを見つけられませんでした。
仕上がりは見ての通りです。あまり近寄って見ないほうがいいのかも(笑)

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大きくイエス様や聖人たちが描かれている中、端っこの下の方に聖アンブロージョの日々の様子が描かれてます。

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ここまでが前段、いよいよ本命に向かいます。
祭壇右側奥にある礼拝堂サン・ヴィットーレ・イン・チェル・ドーロです。殉教者ヴィットーレの遺体を安置するために、 マテーノ司教によって316〜328年に建設されました。

まずは入ったところ

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美しい前室の奥にモザイクのある小部屋があるのですが間には鉄柵があります。
中に入れず鉄柵ごしの撮影になりとっても大変でした。

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こちらがミラノでも有名な初期キリスト教時代のモザイクです。5世紀にごろに作られました。
中央にいるのは聖人ヴィットーレ。円蓋を覆う金色はすっかりと退色して、いぶし金色の渋い空間です。かつてはキラキラと眩ゆかったのでしょうか?

円蓋の周りの壁に聖人たちが配されてます。聖アンブロージョは左の壁の中央にいます。モザイクは聖アンブロージョが存命中に作られたそうです。だったらよく似てるのかも。お顔をよく見たいのですが、この角度からではわかりにくいです。

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このクオリティの高い作品の中で異彩を放っているのが4隅にいる不思議な生き物たちです。最初は福音書家と思ったのですが、ライオンに当たる生き物があまりにもらしくなくて首を傾げてしまいました。
モザイクも明らかにテイストが違うので時代が違うのか作者が違うのか。目が離せない不思議な味のある絵柄です。

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礼拝堂への通り道辺りにこんなものもありました。
パネルによると「最初の教会の後陣に飾られていたモザイクの一部」だそうです。

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南イタリアの教会にはヘタウマモザイクがいっぱい 5

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オートラント大聖堂の床モザイク オートラント イタリア

このヘタウマモザイクシリーズは今回で最後になります。
前回に引き続きオートラント大聖堂のモザイクです。主身廊部分の大きな「生命の木」を中心に紹介しましたが、袖廊にあたる部分にもそれぞれ小さな「生命の木」があります。

こちらは左翌廊部分の全体図。

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牛の背中から木が生えています。

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このゾーンのテーマは「天国と地獄」です。
多分木の左側が天国で右側が地獄かと思うのですが、左側で象徴的なのがこちらのお方々。
アブラハムとイサクです。イサクはアブラハムのお膝に乗ってる子供の姿と大人になって2人の子供を抱く姿の2つでのご登場です。

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そして地獄側の象徴はコチラ、隣には奴隷を従えたサタンの姿です。側にはしっかりとINFERNUS SATANの文字。

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この邪悪さとか禍々しさとかがすごく伝わってきて、なかなかの表現力だなと思うのです。

このゾーンのほかのモザイクたちもお楽しみください。動物たちがすごくキュートです。

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こちらは右側翌廊部分です。

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テーマは特に無いようですが自然界を表しているようにも見えます。
トップ画像もここにあったのですが弱肉強食を表してる? 実は山羊を飲み込んでるウワバミの尻尾はライオンが襲いかかっているところなんですよ。

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動物たちのやりとりみたいなのが可愛くて面白いです。

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そうかと思えばファンタジックな生き物もいます。
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木のてっぺんには人間たち。

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モザイクだけでも十分素晴らしいですが地下教会も忘れずに。11世紀創建当時のまま残ってます。
柱が林立する様は美しく周辺には当時の貴重なフレスコ画が残ってます。柱頭も個性的なのが多くてこれもまたひとつひとつ楽しめます。

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教会を出たら港へ戻る道すがら土産物街をブラブラと散策。
でも気づいたら看板ばかりが気になって、こんなことになってしまいました。

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かわいいお土産も見つけましたよ。

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南イタリアの教会にはヘタウマモザイクがいっぱい 4

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オートラント大聖堂の床モザイク オートラント イタリア

イタリアの端っこにやってきました。端っこと言ってもつま先ではなくかかとの方、ここにオートラントという名の町があります。
端っこなら当然!海ですよねー
私はモザイク目的でちらっと立ち寄っただけですが、リゾート地のようです。
お天気がいいととても綺麗な海の色が見られるんですって!

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オートラント港のど真ん中が今回の出発点です。
ちょっと振り返ると城壁とアルフォンシナ門がみえます。ここをくぐって旧市街に入ります。

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まず目につくのは土産物街ですが、これを横目にみながら右へそれていくとオートラント大聖堂(サンタマリア・アンヌンティアータ大聖堂)に到着です。
シンプルなロマネスクの建物ですが、バラ窓はゴシック的だし入り口の彫刻はバロック様式だしとファサードは後世に何度か手を加えてきた様子。

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中に入ると床全面がモザイクでびっしりと覆われています。
アクィレイアに似ていなくもない感じですが、椅子もそのまま置いてあり今も現役でちゃんと使われている感じです。
とはいえ観光客にむやみやたらに踏まれたくないようで、そこはきっちり柵がしてありました。

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この床モザイクは1163〜1165年の間にパンタレオーネと呼ばれる修道士によって作られました。
・・・というような内容がここに記されているようです。PANTALEONISの文字、見つけました♪

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モザイクにどっぷりと入る前にちらっと上を見上げ、なんだか綺麗な天井だなぁと。

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入ってまず目についたのが象の親子のモザイク。
母象の首の付け根から背中にかけて地の色が変わっています。このモスグリーンのゾーンは廊下のように教会の中心をまっすぐ貫いています。あまりに大きすぎて私はついに気づかなかったのですが、隣り合った2頭の象の背中から大木の幹が伸びていて、周りにいる人間やユニークな形の動物たちへと枝を伸ばしています。「生命の木」というものだそうです。

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この大きな「生命の木」はゾーンごとに描かれているテーマがあるようです。
入ってすぐのエリアは狩りのシーンですが、キリスト教にどう関係があるのでしょう?

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動物たちの姿、堪能してくださいな

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実はこの狩りのシーンの向こう側、木の右側部分にアレキサンダー大王がいるらしいです。
どうも動物たちに目移りしているうちに撮りそびれてしまったようで、嗚呼、、、

そして赤い布で覆われているところには「バベルの塔」のシーンがあるようです。
その先は、、、

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「ノアの箱舟」にまつわるシーンです。椅子が置いてあるので絵柄が分かりづらいですね。
向こう側の左端にいるのがノアで神の啓示を受けているところ。
手前にいる人は大工さんのようですが、ちょうどバベルの塔のシーンとの境に当たるので、作っているのが塔なのか箱舟なのか分かりづらいです。この辺り大工さんだらけなのです。同じ作り手としてパンタレオーネが特にこの職業の人びとに親近感を感じていた、ってこともあるかもしれません。

その奥のゾーンには1年の各月を表した12個の円が並ぶゾーンがあります。椅子のないところはこんな感じです。
といっても完全な円で撮れているものは1つもないのですが、、、

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同じく上の写真で12個の円の向こう、生命の木の先端の周りはエデンの園のシーンがあるのですが遠くてちょっと見づらいです。
手前の方にありよく見えたのは、カインとアベルの悲惨なシーンでした。

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「生命の木」からさらに奥、祭壇にあたる箇所は人「人間の悪徳と美徳」を表した16個の円があります。

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ふぅ、ここでこんな彫刻を見つけ一休み。

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今回の記事は長くなりそうなのでブログもここで一休みにします。
続きはまた次回に



南イタリアの教会にはヘタウマモザイクがいっぱい 3

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バーリ大聖堂 ティモテオのモザイク バーリ イタリア

ここのところ南イタリアの記事が続いてますが、この旅行で拠点にしていたのがアドリア海に面したプーリア州都のバーリです。アルベロベッロやマテーラへのアクセスも良く便利なので、南イタリアへ訪れる旅人は必ず立ち寄るのではないでしょうか。
ホテルは大通り近くにとっていたので賑やかな都会だと思っていたのですが、海辺の方へ散歩すると旧市街や漁港などちょっと雰囲気がいいエリアがありました。

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バーリの観光は日中遠出した後、隙間時間を利用しての観光なので基本夕景か夜景です。

それほど広くない旧市街に印象的な教会が2つありました。
一つはサン・ニコラ聖堂、日本ではサンタクロースの名でおなじみのバーリの守護聖人サン・ニコラを祀っています。
ちなみに聖ニコラはトルコが本拠地なのです。あちらで彼の教会にも行きました。

時はまさにクリスマスシーズン、ここのプレゼピオは教会と中庭を挟んだ向かい側、道沿いの建物に等身大で飾られてました。

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写真以上にイルミネーションがキラキラと明るく、中庭が神聖だけど華やかで実にクリスマスらしい空間になってました。
一方聖堂のファサードの方はこんな感じです。

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クリスマスの飾りがなにもなく、この時期プーリアロマネスクの建物は完全に脇役に徹しているようです。
よく見ると外観や扉周りの彫刻の感じがビトント大聖堂によく似てます。これはビトント大聖堂がサンニコラ聖堂を真似て作ったからだそうで、こちらが本家本元です。




もう一つの教会が今回の本命、バーリ大聖堂です。

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中に入った時はミサの真っ最中、でも間もなく終わりそうな気配だったのでそのまま見てました。
皆が自由に動き始めた頃、ようやく地下階段への案内図に気付いたのですが、開館時間は午前のみと書かれていてガッカリ。どちらにしても完全に時間外に訪れているので、入れるわけないかと半ば諦め顔で立ち去ろうかと思っていたのですが、なんと係のお兄さんがやってきて、どうぞ!と扉を開けてくれたのです。
なんと素敵なサプライズ! 
バーリには本当にサンタクロースがいたようです。しかもクリスマスソングのBGMまでサービスしてもらいました。

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まず目に入ったのはこちらの地下聖堂。黄色い大理石が色鮮やかです。

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モザイク床が見えてきました。
この辺りは5世紀初頭の初期キリスト教時代に建てられ、中世(11世紀頃)まで続いたかつての教会の遺構があります。
その後拡張した今の教会が建てられたため、教会の周りの土地も一緒に取り込まれて残ってます。
写真はローマ時代に使われていた道の一部。轍がくっきりと残ってます。

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ここはパネル説明が丁寧で、見やすかったです。
教会跡のどの場所にモザイクがあったかよーくわかる図面もありました。これは助かります! 地下でウロウロしていると自分の居場所をつい見失ってしまうので。
復元の様子を説明したパネルもありました。地道な作業の積み重ねで大変そう。

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パネルの図面を参照すると、この写真↓は教会の外壁の隙間から覗き込んだ感じになるのかな?(図面のAの箇所)

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こちらがティモテオのモザイク。ほとんどは幾何学模様で埋め尽くされています。

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幾何学模様なのになぜか味わい深い表情を醸し出し手ます。中央の正方形周りにある縄が四方に円を描くように絡まった模様は真ん中の処理が適当で残念で気になってたまらない。ですが、ついついあーでもないこうでもないとじっと見入っちゃってしまうのは、もしかして作者の策略にはまってるのかしら??

部屋の隅っこの方はちょっと様子が違います。

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魚、さかな、サカナ、イカ、、、
絵柄が愛らしすぎて、キリストのシンボルとしての意味などどこへやら。ありがたいというよりも可愛いとしか言いようがありません。
ああ、お魚が食べたい〜 (魚のモザイクを見るといつもこれ)

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碑文にはラテン文字でこのモザイク製作に関わった二人の司教アンドレアとティモテオを讃える内容が書かれています。特にティモテオが資金を調達したり、作品を発注したりと密に関わっていたとか。
そんな細かい情報まで碑文にしてるんですね。



モザイクとは関係ないですが、バーリで楽しめた場所をもう一つご紹介。

ノルマン時代に建てられたこちらのお城の中にはプーリアロマネスク様式の彫刻が展示されています。

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彫刻の細工は細やかで見事!
見ごたえ抜群でした。


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