
ボドルム城のモザイク ボドルム トルコ
今までさんざんタイトルにありながら1ミリも触れることのなかったエーゲ海ですが、今回はエーゲ海沿岸屈指、かつトルコを代表するリゾート地ボドルムをご紹介します。
そもそもこのエーゲ海シリーズはリゾート地ボドルムに滞在しながら周辺のモザイクを見に行こう!そんな裏テーマが私の中にありました。
でも手前の場所でもたついているうちに、間が長くなりすぎてそんなコンセプトはすっかりと頭から飛んでしまって、、、実は前回のエフェスからその対象エリアでした。(汗
そしてここからは船でギリシアの島に渡ってモザイクを見に行きます。
どういうところに行くのか? 詳しい方や察しのいい方はお気づきかもしれませんが一応お楽しみに!ということで。
参考までに地図を載せておきます。ギリシアの島が目と鼻の先にあるんです。
↓縮尺を変えて位置関係をご確認ください
そしてこんなモザイク&リゾートプランもあるんだなーぐらいに思っていただけると嬉しいです。
素敵なホテルも目白押しなのでお気に入りを見つけてのんびり滞在してはいかがでしょう?

ボドルムのまちは白壁にブルーのペイントで、あまりトルコらしさは感じられません。むしろギリシアのリゾートに来たような気分になります。もちろんエーゲ海も存分に見えますし、シーフードも美味しいです。イスラムですけどお酒を出すお店もちゃんとあります。
トルコ内陸からやってくると、キラキラとしてて目に眩しいです。



見どころといえばボドルム城でしょうか。
15世紀初めにロドス島を拠点にしていた聖ヨハネ騎士団が築いたものだそうです。

こういう紋章、いかにも中世の騎士団って感じがします。
中には沈没船博物館になっていて、近海から引き揚げられた古代の壷やガラスなどを展示しています。復元された沈没船もありました。考古学博物館らしいのでモザイクがあればいいなあと思って入ったわけです。

こちらの建物の中に復元された船がありました。古代のガラス展示も美しかったです。
広いお城の中庭には古代の彫刻や現代の不思議なオブジェなどが点々とあるのですが、その中にモザイクが2、3点ほど。トップの床モザイクが唯一状態のいいものでした。

でも妙にツボにはまったものが別にあるのです。それがコチラ!

順路の矢印をひとつひとつモザイクで作ってるんです。かなり適当ではありますが、文字の辺りはかなり大変そうです。明らかに専門ではない方の手によるものですが、ネットとか下に敷いてあって施工方法はプロっぽい。施主に「雨風に耐えられる順路のマークを入れてください」なんて言われた工事業者が四苦八苦して頑張ったのかなと。無駄にあれこれと想像を巡らせてしまいました。
今回はせっかくなので青い空と碧いエーゲ海のサービス
スフィンクス像とボドルム城から見た景色です。



トリトンとネレイドのモザイク「傾斜面の住宅」のモザイク群より エフェス トルコ
エフェスは規模といい保存状態といい、エーゲ海沿岸屈指の遺跡です。
歴史を遡れば伝説級のストーリーなら紀元前1000年ごろから、記録の残っているものでは紀元前7世紀ごろからその名は登場するようです。ペルシャ帝国の支配下になったり、ペロポネソス戦争に参加したり、アレクサンドロス大王の支配下になったり。あ、エジプトのプトレマイオス朝の支配下にもなりました。あのハンニバルもここに逃れてきているようです。ローマ時代になって東西に分割されても超有名どころの固有名詞が次々と並びます。それだけ歴史的にも重要なところだったのですね。
エフェスの遺跡はL字状の2つのメインストリートを中心に広がっています。そしてL字の交差部分にほど近いところに「傾斜面の住宅」があります。まちのど真ん中、超高級物件ですよね。その立地たるや素晴らしいものです。まず建物を出てすぐ右手、クレテス通り沿いにおしゃれなストアが並びます。大理石の列柱にモザイクの歩道、屋根もかかってました。

奥に見える屋根のかかった建物が傾斜面の住宅です
通り沿いにはハドリアヌスの神殿やトラヤヌスの泉などの建築物のほか彫刻や碑文などもゴロゴロあります。華やかな道だったんでしょうね。





もう一つのメインストリート大理石通りに入ってすぐのところには世界屈指の蔵書を誇るケルスス図書館。隣接するアゴラ門をくぐると大規模な商業アゴラ、お買い物には事欠かなさそうです。10分程歩いた所には収容人数2万5千人の大劇場。ここからまっすぐ伸びるアルカディアン通りは海まで繋がってました。





左:大理石通りから傾斜面の住宅をみたところ 右:アルカディアン通り
邸宅のお向かいに当たる一角には公衆トイレもありました。みんな一同に並んで用をたすんでしょうか?用をしながら世間話もするんでしょうか?邸宅の住人はここまでこなくても家にちゃんとトイレが付いていました。
そしてガイドブックに娼館と紹介されてた建物もあります。都会の一等地に中庭があってモザイクがあってと随分と贅沢な造りの娼館だなと思ってたら、やっぱり間違いだったようで本当は邸宅だったようです。
モザイクはそれらしいところをうろうろと探したのですが見つけ切れませんでした。パネルで勘弁してください。


さてさて傾斜面の住宅の一等地っぷりをしみじみと実感したところで中に入ります!
なかなか保存状態の良い邸宅の集合体です。(入ってすぐはわかりませんけど)
入り口付近から幾何学模様のモザイクが見えてきてワクワク。のっけのモザイクは通路のガラスが曇っててよく見えなくて、おい!って感じですが、そんなこと忘れてしまうくらい次から次へと幾何学模様が現れてきます。っていうか普通に作業場所や保管場所にされてて扱われ方の適当さに笑ってしまいます。



こんな風に当時の建物の雰囲気を残しつつモザイクが見られるのは楽しいです。奥の上階から俯瞰もできるしまさにリアルグーグルアース状態。フレスコ画やカラフルな大理石の装飾も残ってます。
モザイクは1世紀前半のものと3世紀頃のものがあります。幾何学模様が1世紀半頃ってことでしょうか?



「ライオンの間」そのまんまです(笑)


横向きで見づらくてスミマセン。女性だと思ったらこのお方ディオニソスでした。

こちらはメドゥーサなのだそうです! あまりの可愛らしさにビックリ!!



トリトンとネレイドのモザイクは建物の一番奥にあります。

ネレイドはギリシャ神話に出てくる海のニンフです。トリトンの乗り物ヒッポカンポスに乗ってますがどういうシーンなんでしょうか?

上階の床を飾るモザイクたち



ネレイドモザイクはこの上部通路から眺めてました。ガラス張りの床で怖かった〜(軽い高所恐怖症です)

降りた所でもういっちょ!

ここはトルコ西部では最大級のモザイク群です。おかげであれもこれもと紹介したいものだらけで写真でいっぱいになってしまいました。
そうそう、傾斜面の住宅ですがブログ構成の都合で最後にご紹介しましたが、なかなか人気の場所です。じっくりと観光するならば、ツアーグループなどが到着する前の朝イチで見るのがオススメです。