キプロスの旅 パフォス考古学遺跡:ディオニソスの館 part 2
ディオニソスの館 四季のモザイク
さてさて、ここパフォス、ディオニソスの館は、館のシンボルにもなっている『ディオニソスをテーマにしたモザイク』にたどり着く前に、興奮で目がちらちらするほど、見所いっぱいなのです。
次にご紹介するのは3番目の部屋に描かれた『四季のモザイク』です。
こちらも発掘された当初、保存状態はよくなく必ずしもオリジナルに忠実な修復がされていない箇所もあるそうです。
全体図はこのような感じで、「四季」のシンボルとなる人物像が4隅に。
中心の人物のシンボルについては不明だそうですが、『Aion:エイオン』『年』を表すシンボルではないかともいわれています。
この中心の人物の上部に描かれている「草をついばむヤギさん」の姿
とっても可愛かったのですが、通路からカメラをむけても遠くていい写真がとれませんでした。
(なのでガイドブックの写真をおかりしました)
よくみると ヤギさんが食べてる草木の幹には 鳥がさえずり、牧神パンがもっている笛(syrinxシリンクス)がぶら下がっているではないですか。
余談ですがこのシリンクス、牧神パンが追い求めた乙女で、葦になってしまい、パンはこの葦で笛をつくったといわれています。
こちらは『秋』をあらわす人物
頭には秋のシンボル葉っぱや木の芽の王冠をかぶり、手には収穫用の鎌をもっています。
『四季』を表す人物像はそれぞれの季節を表すものと一緒に描かれているのですが、単に季節だけでなく、人間の一生の中の「四季」をも表している、人物の描写にも注目です。
春、夏、秋、冬
花とともに描かれた「春」の人物は、花々と共に若々しい乙女の姿、
夏は麦と鎌をシンボルに若々しい青年の姿
人生の終盤、「冬」に描かれる人物は「年老いた老人」
というかんじに、人間の人生の四季にもなぞらえているのです。
豊かな「実りの秋」のシンボルはさながら中年期の人物、とはいえ若々しく描かれています。
左下の『冬』の人物はひげの生えた老人
背後に変な「イカ?」みたいなものと一緒に描かれていますが、(イカのわけないですがイカにしかみえない 笑)
解説を読むと、アンフォラのような瓶から水が流れているそうです。
「水」にまつわるシンボルが描かれているみたいです。
この四季の部屋、もうひとつの注目ポイントは入り口と出口に描かれた言葉、
Tabulae ansatae タブラエ アンサタエと読むのでしょうか(ラテン語?)
四角い枠と三角形で構成された、キャンディのようなデザインのなかに文字がかかれています。
部屋の片方は『XAIPEI』 welcome とか rejoice、歓迎や喜び
もう片方には『KAI CY』 you too:あなたにも
の意味を表す言葉が描かれています。
こんな風に客人をもてなす言葉が描かれていると、何世紀もの時を越えて極東の日本からこの館を訪れた私に語りかけているようで、館の主に親近感がわきますね。
この館の主人のように
「XAIPEIという文字を玄関の床にいれてみたいなぁ」
なんていう生徒さんが現れそうな気がします。笑
つづく