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Viaggio mosaico

〜モザイクをめぐる旅〜

リキヤ遺跡とモザイクと3

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レトゥーン遺跡 アポロン神殿のモザイク トルコ

この日はなんだか変なお天気。
雨雲と追いかけっこで車を走らせて、レトゥーン遺跡につきました。

ガイドブックではあっさりと紹介されていていたレトゥーンですが、リキヤ地方には女神レトの信仰があり、その女神の名を冠するこの場所はかつて最も重要な聖地でした。
アポロとアルテミスの母親であるレト神、元々はアナトリア地方に根ざした古代の地母神だったようです。聖地の発祥は紀元前7世紀まで遡ることができ、のちにアポロやアルテミスも同等に信仰されるようになりました。
今では世界遺産に指定されています。

遺跡の入口に入る手前にあるのは紀元前2世紀のギリシア劇場です。
この神々しい美しさ! 自然に愛された聖地にふさわしい景色だと思いませんか?

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この遺跡もまた観光地としてほとんど整備がされていませんでした。
入口の係員も常駐してる様子もなくどこからともなく現れるし、おトイレもあったかどうか、、、
世界遺産のはずなのですが、遺跡が多すぎて手が回らないのかしら?トルコ政府は。

入ってすぐにあるのはすっかりと池と化した遺跡(ポルティコ)。
乾燥した場所にある遺跡ばかり見ているので、とても新鮮な気分です。

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入口付近にパネルが1つあるきりで、詳細な説明は特に無いので、気になるものを気ままに見て回りました。

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奥の方に行くと3つの神殿が並んでいます。
まず目につくのは高い2本の柱が残る一番大きな神殿、レト神殿です(紀元前5世紀?)。

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そのお隣、基壇のみで建物はわずかな石組みを残すのみ。そばの銘でようやく気付いたアルテミス神殿(紀元前4世紀)。

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そしてレト神殿と負けず劣らずの規模を持つアポロン神殿(紀元前4世紀)です。
神殿の床の一部に残ったモザイクは同時期のものかどうかわかりませんが、ギリシア時代のものであるのは確かです。
この床モザイクのお陰で神殿の特定がたやすかったようです。確かに竪琴と弓矢はアポロン持ち物だしこれならわかりやすいでしょう。

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現地に来るまでモザイクがあることを知らなかったので、思いがけない出会いを果たしました。ギリシア神殿にあるモザイクを見るのは初めてです。
雨で完全に水没しているおかげで、模様もクッキリとよく見えてさらにラッキー!
本物だったらもっと良かったのに、、、
このレプリカは機械的な感じでちょっと残念です。

本物の在処をこのブログを書くにあたり調べたところ、フェティエの考古学博物館にあることを確認しました。



リキヤ遺跡とモザイクと2

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アンタルヤ考古学博物館のモザイクギャラリー アンタルヤ トルコ

前回の残念なモザイク旅行に続きがありました!
ブログをアップした後、次回に向け手元の写真を調べていると、なんとクサントスで発掘されたモザイクの一部がアンタルヤ考古学博物館にあることがわかりました。
旅のルートが前後してしまうのですが、せっかくなのでこの流れで先にこちらを紹介します。

アンタルヤ考古学博物館は観光の中心地カレイチ(城内)地区から少し離れた場所にあります。なので時計台のある広場からトラムで移動します。博物館はトラムの終点です。

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広場は地元のおじさんたちが楽しそうに集ってます。
アンカラに比べるとトルコの南の方はのんびりとしたムードが漂います。

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博物館の目印はリキヤの石棺

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ここには近郊の遺跡から発掘されたものが展示されててなかなかの充実度です。特に彫刻群のクオリティは高く見応え抜群! 次々と現れる素晴らしい作品のオンパレードで眼福ものです。

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この麗しいお方はアレクサンダー王、御髪が長くて優しい雰囲気です。
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ひときわ目立つ形で展示されていたのがこちらの「休息するヘラクレス」です。なぜか上半身はボストン美術館、下半身はアンタルヤと別々の場所に所蔵されていたのですが、2011年に晴れて一つの姿になりました。

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さてさてモザイクギャラリーへと参りましょう。
こちらにはクサントスとSeleuceiaの遺跡からの発掘品が展示されています。
ギャラリーと言っても展示品の数はそれほど多くありません。

大物で比較的保存状態がましなこちらはSeleuceia から発掘されたものです。ソロン、トゥキディデス、リュクルゴス、ヘロドトス、ヘーシオドス、デモステネスなどの顔が描かれてます。前者2人の顔の保存状態がいい感じです。
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残りの目ぼしいものは小さなパーツばかりです。これらはクサントスのバシリカにあったもの。
こちらは女神テティスが息子のアキレウスを不死身の体にするために水浴させているところ、だそうです。
随分と荒っぽい水浴びですねー。

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こちらはアタランテとメレアグロスがカリュドーンの猪を退治するところ
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この他に幾何学模様と動物を描いたものの一部がいくつかありました。

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クサントスのモザイクはビザンチン時代の比較的新しいもののはずですが、保存状態は全体的に残念な感じでした。
使われているモチーフはギリシア神話からですが、取り上げる内容はイタリアとは全然違いますね。このエリアゆかりのものなのでしょうか? キリスト教とどう繋がってるのでしょう?
興味は尽きません。

しかし古代ギリシアってどこまでギリシアだったのやら? 思ったよりずいぶんと東まで来ていたようです。

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