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Viaggio mosaico

〜モザイクをめぐる旅〜

隅っこあたりが面白いビザンチンの教会

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カーリエ博物館のモザイク群 イスタンブール トルコ

またもやイスタンブールの教会の紹介です。
教会といっても厳密にいえばかつての教会。一度イスラム寺院に改装、そして復元され今はミュージアムとなったカーリエ博物館です。

私が訪ねた頃は改修中でした。

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このため一部見られない箇所があったのですが、モザイクのあるナルテクス(前室)やフレスコ画のあるパレクリシオン(小礼拝堂)は全て問題なくみられました。

建物に入ると全能者キリストが私たちを出迎えてくれます。(トップ画像参照で)
今私たちが立っている場所は外ナルテクス。このまま奥の方に進むと内ナルテクスです。この教会は前室が二つある構造になっているのです。
そのまま左を向くと外ナルテクスの全体像が見えます。

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パッと全体を見たときに思ったのは、バックの金色エリアが少なくて賑やかだなあと。
ビザンチンってもっと整然としたものだと思っていました。見るときにはちょっと背筋を伸ばして真面目に見る感じ。

でもここはなんだかとっても楽しいのです。
お約束のテーマに合った絵柄はあるようですが、その周りの小さな場所でこまこま、コソコソ遊び心たっぷりです。
その絵柄も立体的で写実的で動きがあって、思わずクスっと笑ってしまう場所もあったり。

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もはや神の教えとどう関係があるのかわからない絵柄

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聖人二人なのによこしまな目で見てしまいそう


現存のモザイクは1316年から1321年にかけて増改築が行われた頃に作られました。時期的にはアヤソフィアのデイシスが作られた時期とほぼ同じか少し後くらい。コンスタンティノープルを奪回し、東ローマ帝国を復興させた時期です。

この時期東ローマ帝国は周辺のオスマン帝国などに押されて政治経済は衰退の一途でした。
栄光を奪われ、周りの国に押され、かつての帝国が小国へと成り下がりそうなその時期に、人々の関心が向いたのは、華やだった時期のローマ文化の源流、ギリシアでした。古代ギリシアの研究が盛んに行われ、教会美術に大きな影響をもたらしました。
そう、まさにビザンチン版のルネッサンスが起こったのです。

ろうそくの火が消えゆく間際の一瞬だけ輝きを見せるように、東ローマ帝国は衰退のさなか、文化芸術面で最後のきらめきを放ったのです。(すみません、思い入れが入りすぎて演出がすぎた文になってしまったかも)

型にとらわれない躍動感のある絵柄の裏にはそんな背景があったようです。

ここは大作や見所が豊富で、モザイクファンとしては気負って見てしまいそうになると思うのですが(実のところ私も撮りこぼしを恐れるあまりカメラを抱えて必死だったです)、すこーし肩の力を抜いて隅っこを堪能して欲しいなと思います。



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生々しすぎて怖くなるシーンもあります


大きいところは次回以降をお楽しみに




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