旅する皇帝の別荘で
ヴィッラ・アドリアーナのモザイク群 ティヴォリ イタリア
本記事よりインスタグラムに連動するようになりました。
写真をクリックするとViaggio mosaicoでアップした他の写真も見られます。
久しぶりにイタリアの記事です。
ローマから北東に約30kmの街、ティヴォリの近くにヴィッラ・アドリアーナ(ハドリアヌス帝の別荘)があります。
ハドリアヌス帝といえば5賢帝の1人、彼は広大に広がり過ぎたローマ帝国の領土拡大を止め、内需拡大型の政策に代えたその人です。その経済政策のために領土内のあちこちを旅したと言われています。
そんな皇帝が作った別荘は各地を回った彼の趣味趣向がおおいに反映されています。
中でもギリシアとエジプトの影響を大きく受けたようです。
こちらの親水空間はカノプス、かつてエジプトのアレキサンドリアの郊外にあった町の名前です。カノプスにはセラピス神を祀る神殿(セラピウム)があり当時は有名な「癒しの町」だったそうです。ここでもそれに習って奥の方にはセラピウムが建てられています。
余談ですが、現在のアレキサンドリアの有名な観光地「ポンペイの柱」のそばにセラピウムの跡地があります。今では完全に町の中になりました。
この遺跡の中も足元を気にしていると、所々にモザイクがあります。特にカラフルなこちらのモザイク、たぶん大浴場か小浴場辺りかと思うのですが(あやふやですみません)細やかなサイズで作られていて、ギリシア風を意識して作らせたのかなとも思います。(追記:黄金広場にあるようです)
モザイクがまとまって見られるのはホスピタリアと呼ばれる場所です。ホテルのようなものでしょうか?客室の一つ一つにはデザインの違うモノトーンのモザイクがあります。(トップ写真)
すごく細やかで美しいモザイクですがあまり手入れされておらず、すごく磨きたくて仕方ありませんでした。