伝説の地で貴重なモザイクに出会う!
ゴルディオンのモザイク トルコ
前回取り上げたアレクサンドロスですが、イッソスのの戦いの前にゴルディオンに立ち寄ってます。ここにはこんな伝説がありました。
この町の中心にあるゼウス神殿に古い戦車が祀られていました。かつて王都ゴルディオンを立てたゴルディアス王はこの戦車を丈夫な紐で複雑に結え付け「これを結び目を解くことができたものこそ、このアジアの王になるであろう」と予言してました。この「ゴルディオスの結び目」をアレクサンドロスは、腰の剣を振り上げ、一刀のもとに結び目を切断します。折しも天空には雷鳴がとどろき、驚いた人々を前に、大王の従者のアリスタンドロスは「たったいま我が大王がかの結び目を解いた。雷鳴はゼウス神の祝福の証である」と宣言しました。
ゴルディオンはトルコの首都アンカラから南西に約100キロののところにあります。アレクサンドロスの伝説の地を目指して行くと、そこには大きな墳丘がありました。この墳丘は「王様の耳はロバの耳」で有名なフリギア国のミダス王の墓なんだそうです。
このお墓の中、長い長い廊下の先は檻で遮られ、丸太組みの構築物が見えるだけです。これがお墓のようです。
そばには小さな博物館、入口に例のアレクサンドロスのモザイクがあります。そばでみるとなかなか素朴な作りのアレクサンドロスです(笑)
中の展示物はミダス王の墓から発掘したものの展示が主でした。アレクサンドロスに関してはパネルとヘレニズム時代のものがちょこっと。
そして博物館の敷地にも何かありそうだなぁとぶらぶらしていると、モザイクが見えてきました。黒白赤の小石を使ったパッチワークのような可愛らしいモザイク。
ひとしきり楽しんだ後、そばにあったパネルを見てびっくり!
世界最古の床モザイクって書いてあるんですけど……
ホント???
説明文には紀元前9世紀とか書いてありますが、劣化とか特に見られないので俄かに信じられないです。ドッキリ?それともトルコが見栄張っちゃって数字を盛ってるとか??(←あまりのことに思考回路がすでにオカシイ)
こういうのってモザイクをやってる人なら誰でも知ってる有名なもので、わざわざこれを見るために来るようなものだと思うんですよ。でも、わたしはなにも知らずぶらっとやってきたついでに見つけちゃったもので、申し訳ない罪悪感と自分の無知を恥じてしまったりして、非常に非常に複雑な気分でした。
ちなみにその後、Studio Mosaicoの先生に連絡をして真偽を確かめたところ、当然ですが本物でした。ついでですが、トルコではアレクサンドロスのことをイスカンダルと呼びます。
そしてこちらはイスカンデルケバブ。この上に熱々に溶かしたバターをかけて食べます。アレクサンドロスとは全く関係がないそうです。