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Viaggio mosaico

〜モザイクをめぐる旅〜

これはやっぱり時代のせいと言わせて欲しい

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”ヴィア・ドロローサ”にまつわるモザイクたち イタリア

今回のトップ画像は前回からの使いまわしです。編集構成の都合上このような形にしてますが間違えたわけではありません(笑
実は前回の記事を作っている時に興味深いなあと思ったことがあったので記事にしたくなりました。

ヴィア・ドロローサとはイエスの最後の歩み、ピラトの館からゴルゴダの丘までの道のりを指し、14または15の項目に渡り仔細に描写されています。タイトルだけでも見てみましょう。

1 -ピラトに裁かれる-
2 -有罪に定められ、鞭で打たれる-
3 -最初に倒れた場所-
4 -悲しむ母マリアと出会う-
5 -キレネ人シモンがイエスを助ける-
6 -ベロニカがイエスの顔を拭く-
7 -二度目に倒れた場所-
8 -イエスがエルサレムの婦人たちに語りかける-
9 -三度目に倒れた場所-
10 -衣服を剥ぎ取られる-
11 -十字架が立てられる-
12 -イエスの死-
13 -十字架の下の母マリア-
14 -イエスの墓-

息絶え絶えで重い十字架を背負っていく、悲壮感あふれるイエスの様子が目に浮かぶようです。

ではジーノ・セヴェリーニの「聖なる道」のモザイク群を改めて見てみましょう。私の手持ちの写真だけでは足りないのでこちらから拝借しつつ、どのシーンかわかるものをピックアップしました(写真の左下にシーン番号があります)

1 Via_SMargherita_stazione_DSC_2624.jpg 4 Via_SMargherita_stazione_DSC_2614.jpg

5 Via_SMargherita_stazione_DSC_2611.jpg 6 Via_SMargherita_stazione_DSC_2607.jpg

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終始十字架を担いだイエスが描かれてますね。ジーノ・セヴェリーニの生きた時代(1883年ー1966年)は世代も近いこともあり、現在とほぼ同じ感覚で表現しています。

ところが、初期キリスト教時代にはこのシーンの描き方が全然違うんです。あんまり苦行っぽく見えないんですよね。
その証拠のモザイクがこちら。

ravenna
サンタポリナーレ・ヌオヴォ聖堂 ラヴェンナ イタリア

十字架を他人に担がせて自分はスタスタ歩いてますよね。
実は4人のうち3人の福音書にはこのように記述されているのだそうです。キリストが十字架を担ぐのはヨハネ書のみ。
面白いことにヴィア・ドロローサには福音書の記述に準じたバージョンもあるようです。該当の項目はこんな感じ。

6 イエス、ローマ兵によって紫の衣を着せられ、茨の冠を載せられる
7 イエス、十字架を背負う
8 キレネ人シモン、イエスの代わりに十字架を背負う
9 イエス、婦人たちと出遭う
10 イエス、十字架に掛けられる

倒れるシーンとか、マリア様とか全くありません。
1つのエピソードが時代を重ねるうちにドラマチックに仕立てられていったのね、そんなお話でした。

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