fc2ブログ

Viaggio mosaico

〜モザイクをめぐる旅〜

小さな縁の下の力持ち

Vatican atelier3
バチカンのモザイク工房 バチカン市国

サン・ピエトロ大聖堂のモザイクを支えているモザイク工房にお邪魔したことがあります。
通っていたモザイク教室の企画に一緒に参加しました。ただし生徒さんたちみんなイタリア人だったので説明はもちろんイタリア語。言っていることの半分も理解できていなかったですがそれでも貴重なものを拝見することができました。なので今回はこちらをご紹介しようと思います。

Vatican atelier1

ご存知サン・ピエトロ大聖堂です。正面に向かって右手は教会を観光する人達の列がありますが、私たちは左手に向かいます。回廊を越えてすぐ、衛兵がいる門をくぐります。そこはバチカン市国の領地。でも規模もこじんまりとしているので感覚的には教会付属の敷地というところでしょうか。

入口から歩くこと3分程、建物にモザイク工房の看板を見つけました。

Vatican atelier2
喜びのあまり写真がブレブレ? いえ傘を差しながらで失敗しました

まず最初にサロンのような部屋で30分程バチカンのモザイクについての説明をうけます。
サンピエトロ寺院にあるモザイクや修復のこと、モザイクの歴史に関することを聞きました。
工法の説明の時にはガラスピース(テッセラ?)の元となるガラス棒や土台となる粘土のようなものに触れることができました。粘土は加工が簡単な柔らかさでちょっと押すとぐんにゃりとします。ちぎろうがくっつけようが自由自在な感じ。手には油独特の匂いが残ります。

周りには美術館さながらに数々の作品が並んでいましたフェルメール、ゴーギャン、モネ、ゴッホあたりを見たような気がします。そしてローマの遺跡を描いたオリジナルものもありました。
これらの作品は主にローマ法皇が要人にプレゼントするために作られるのだそうです。作品はその方や国を考慮し厳選するのだとか。プレゼントのシーンの記念写真も見せてもらいました。オバマ大統領の写真もありました。

そして実際の工房に入ります。
部屋はわずか2部屋。手前が先ほどの要人用の絵画を制作する部屋で5人ほどの職人が、奥の部屋はサンピエトロ寺院の修復部門で2人の職人がいました。

作業場とは別に色ガラス作りのための小部屋が一つあります。てっきり炉があるかと思ったのですがただのお部屋。ガラス棒は分厚い金属のお玉に色ガラスの元を入れて強烈なガスバーナーで熱し混ぜ合わせて作ります。いい頃合いにガラスが緩んだ段階で一度平たくたたき、それをバーナーに当てながら飴のように延ばしていきます。

修復部門のお部屋の隣には色ガラスの保存庫があり、小さな引出しがずらりと並んでいました。それはそれはすごい数で圧巻です。引き出しには一つ一つにきっちりと番号が振ってあります。私自身か確認した数字は8500番台までですが、階段上にも同じ引出しがあるので倍ぐらいはありそう。工房の職人さんに聞いたのか周りにいた生徒が2万だと話し合っているのを耳にしました。昔からの希少なガラスもあるようです。

これだけの見学で約1時間半、本当に濃密で貴重な体験をしました。

工房の中は撮影禁止の張り紙がありました。でも一緒に行った生徒さんたちがちょくちょく撮影していたので、私も見学記念に1枚だけ撮りました。なので私の持ってる写真はこれだけ。でもちょっとビビりすぎたみたい。
アルバム編の方に様子がわかる写真があります。ぜひそちらも御覧ください。前半部分になります。


2 Comments

mihoko says..."バチカンモザイク工房にやどる神の手たち"
近藤さんバチカンモザイク工房の記事ありがとうございます!
私も以前見学をさせていただいたことがあり、あの時の興奮を思い出しました!

来週、続き?として私の撮った写真も織り交ぜつつ、記事を投稿してみたいと思っておりますので
編集よろしくお願いいたします!
2016.05.31 11:44 | URL | #h1UXz5Rk [edit]
Akiko K says..."Re: バチカンモザイク工房にやどる神の手たち"
>mihoko 様

そうそう私もすごく興奮していたんです。
なので記憶と記録が残ってるんですよー

> 来週、続き?として私の撮った写真も織り交ぜつつ、記事を投稿してみたいと思っておりますので
> 編集よろしくお願いいたします!

本当ですか!? ありがとうございます!!
コメントのタイトルだけですでにワクワクしてます。これでぜひ!
次回の記事として載せたいので2週間後にしましょう。

原稿お持ちしています♪

2016.06.01 00:06 | URL | #- [edit]

Leave a reply






管理者にだけ表示を許可する

該当の記事は見つかりませんでした。