クジャクのモザイクを眺めながら、、、
南洗礼堂ホールのクジャクのモザイク アクイレイア イタリア
再びのアクイレイアからですみません。
クジャクというと真っ先に思い出したのがこれだったもので。
こちらのモザイクは司教Cromatius(388-408)のもとで作られ、アクイレイア大聖堂の前室(ナルテックス)の脇のサルタトリウムという部屋にありました。ここは司教の王座があり、クジャクの絵は特権的な場所を示すために選ばれました。
クジャクの像は図像学的にキリスト教以前から、不死のシンボルでした。クジャクの羽は毎年春になると新しく生えることから、復活を意味し、その肉は朽ちないと考えられてました。
モザイクは、金やガラスなどの貴重な材料が用いられ非常にエレガントです。石材は地元からのみならずアウリジーナ、イストリア、バローネなどの各地から取り寄せられ豊かでした。
上の記述はこのモザイクのそばにあった説明文を簡単に意訳したものです。
クジャクに対する思い入れがたっぷりで、高貴なものとして珍重されていたんだろうなとつくづく思います。
古代ローマでクジャクといえば、アサロトス・オイコスに象徴される飽食の時代、ご馳走を食べ続けるために意図的に食べた物を吐くのに用いたのがクジャクの羽だったかと記憶しています。
そうそう、食用にも使われてました。クジャクの卵がー、クジャクの脳みそがー、みたいな記述見たことがあります。お肉ももちろん食べたのでしょう。美味しいのでしょうか?
食材としては相当高級でした。
クジャクの卵で20セステルティウス。1世紀のポンペイの時代の物価で言えば、パン40キロ分、ワイン20リットル分に相当します。
クジャクの生息地はインド近辺らしいので、交易で入手していたのでしょうか?食べ物にかける情熱がすごいなーとただただ驚くばかりです。
上にあるモザイクはイタリア各地で撮ったものです。
でも先日掲示板で投稿していただいたスペインのタラゴーナにもクジャクモザイクがあるのに感動しました。
こんなはるばる遠くまで運ばれてきたのですね。
まだの方ぜひこちらもご覧ください。