ポンペイでモザイクを探してみた
「アポロの家」のモザイク ポンペイ イタリア
ポンペイ、ヴェスビオ火山の爆発で一瞬のうちにその火山灰の下に埋もれてしまった、イタリアでもいや世界的にも超有名なローマ遺跡です。
モザイクに出会う前にポンペイの遺跡を一度訪れたことはあったのですが、その頃に見たものといえば「猛犬注意」のアレしか記憶がなくて、改めてモザイク目的で行ってみました。
事前調査してわかったのですが、ポンペイでのモザイク出現率めっちゃ低いです。
モザイク装飾があるのは主に浴場跡か邸宅なので、その二つを中心に調べたのですが浴場は特になし。邸宅はモザイクの表記があったものは十数件のみでした。
その中でもめぼしいものはほとんど博物館に行っているでしょうし、あるとしても中に入って見られるかどうか、、、
そんなにポンペイって邸宅が少なかったのか?というとそうでもないらしいです。
噴火直前のポンペイは商業と農業で栄えた小都市、市参事会にいた100名ほどはいずれも名家や金持ちだということで、少なくともその程度の富豪はいたようです。ただ元老院階級はいなかったようなので、ローマから見たら小金持ち程度が多かったってことでしょうか?
そして実際に行ってみたところ、ちゃんと中に入ってじっくり見れたなーと思ったのはわずかに3件のみでした。
まず一つ目は、かの有名なファウノの家(または牧神の家)
あの「ダリウスとアレクサンダー大王の闘い」のモザイクがあるところです。
とは言っても、ここにあるのはレプリカですからこんな風にあったよって感じで。2つのペリスタイルに挟まれた部屋の床を飾ってました。ペリスタイルって私的な中庭を指します。ちなみに公的な中庭がアトリウム。ということはあのモザイクは邸宅に住む家族や私的なお友達等、内輪の人しか見られなかったんでしょうか?なんてもったいない話でしょう!
ファウノの家には他にもこんなモザイクがありました。
2つ目の家がトップ絵の「アポロの家」のモザイクです。
モザイクは広い庭の端っこにある小さな建物の壁に飾られてました。
この鮮やかな発色のテッセラは貝殻と練りガラスで作られてました。こんな昔から練りガラスの技法があったんですね。
トロイ戦争の中の、女装してシロ王の娘達の間に紛れ込んだアキレウスをオデュッセウスが見破るシー ン。
オデュッセウスが乙女達に衣類やアクセサリーといった贈り物をし、その中に混ぜた武具を思わず手に取った乙女をアキレウスと見抜いたのですが、もしかして混ぜた武具ってこの盾ですか? 随分と大物を持ってきたものです。
そして乙女と見まごうという設定のアキレウスの顔をアップで撮ったら怖くなりました。保存の状態がちょっと残念な感じです。
このアポロの家には他にも「三美神」と「アガメムノン対 アキレウス」の色モザイクがありました。この2つはナポリ考古学博物館で見られます。
3つ目が先に登場した猛犬注意のモザイクがある「悲劇詩人の家」でした。
あとは外から覗き込む形で幾つか
大噴水の家
小噴水の家(ピンボケだったのでサムネイルで失礼します)
アンカーの家
他にもちょこちょこと外から撮った白黒モザイクがある程度でした。
モザイクだけを目的に行くと労多くして益少なし、いやー大変でした。
でもどうしてもやってみたいというお方のためにちょっとだけアドバイス。
今回ご紹介したモザイクはポンペイの遺跡のなかのRegio VIに全てあります。まあ、いつもいつも同じところが空いていてなかに入れるとは思えないですが、ご参考までに。
広い遺跡、少しでも省力化して見て回れますように。