お散歩気分でモザイクを楽しむ in ローマ3
サンタ・プデンツィアーナ教会「玉座のキリスト」 ローマ イタリア
前回、前々回とお届けしたサンタマリア・マッジョーレ聖堂の裏手にオベリスクの立つ広場があります。聖堂を背に広場に立つとすぐ前のカブール通りと奥のウルバーナ通りが見渡せます。このウルバーナ通りを左に曲がってすぐのところにサンタ・プデンツィアーナ教会があります。
こちらの教会は観光客が大勢出入りする感じではなく、入っていいのかなー?とちょっと戸惑う、そんな雰囲気でした。
私がお邪魔した時は入口で工事をしていたので、現場のおじさんたちのお邪魔にならないように外観もこんな感じでサクッと撮影。
カラフルで愛らしいファサード、多分バシリカ様式だと思います。建てられたのがシキリウス教皇の在位中(384-399)だそうでサンタマリア・マッジョーレよりも昔なのです。
でも期待して入ったら、中はぜんぜんバシリカじゃありませんでした!
というより明らかに新しすぎる内装にギョッとし、ま、間違えた??と動揺が、、、、
しかも奥の方に見えるモザイクがこんな感じですし。
事前になにも予習をせず、モザイクがあるというただそれだけの情報で中に入ったので、えーー?
手前のフレスコ画の絵柄と調和してて全く遜色ないし、もしかして新しく作りかえたとか??
まさか間違って違う教会に入ったってわけではないよね?
ラヴェンナにあるようなモザイクを勝手にイメージしていたので、全く違う絵柄に、とにかく動揺が止まりません。
ま、まあせっかくなので、とりあえず写真撮っときましょうか。
ブレました。
これまたブレました。
手の震えが止まらないようです。
こんなに私を動揺させてしまったこの作品、これが、正真正銘、ローマ市内に残る最古の教会の後陣モザイクなのだそうです!!
作られたのは390年頃と言われています。
こんなルネッサンス絵画そのもののような絵柄のモザイクがあったのですね?
顔のしわや陰影など肌の色も絵の具で塗ったかのように滑らかで自然で、そんなに微妙な色合いを大理石やあの時代のズマルトで表現できたのか不思議でしようがないです。
後ろの街の風景も若干歪んでますがちゃんと立体的に描かれています。
キリストを中心に12人の使徒が描かれてるそうですが、後世の改修で見えているのは10人だけです。2人の女性は聖女プデンツィアーナと聖女プラセーデの姉妹です。どちらがどちらかはわからないですが丁寧に作られている右の女性がプデンツィアーナでしょうか。そして空には4人の福音書家、うち2人は完全に見切れてしまいました。
ちなみに姉のプラセーデが祀られた教会も比較的近くにあり、こちらにも素敵なモザイクがあるのでいずれご紹介したいと思います。