ラヴェンナとヴィザンチンの間で
サンジュスト大聖堂のモザイク群 トリエステ イタリア
イタリアの東の端っこの街トリエステです。
アクィレイアに行った時についでにイタリアの端っこまで行ってみようか、ぐらいの軽〜い気持ちでやってきました。
観光の中心ポイントは海に面したイタリア統一広場。ひろびろとしてて開放感抜群です。
広場の一角には黄金色と爽やかな緑色のモザイクで装飾された美しい建物がありました。これはゴヴェルノ宮、現在は政庁舎として使われています。
この広場の裏手にサンジュスト城の建つ小高い丘があります。坂道は大変ですが、がんばって丘を登ると海の見下ろせる広場にたどり着きます。この広場の一画にはローマ遺跡が残っており、隣り合うようにサン・ジュスト教会があります。どうもローマの神殿の跡地に教会を建てたようです。
教会に入ってまず目につくのは中央正面のモザイク。1932年、G.カドリンによって作られたものです。
これはこれで素敵なのでしょうけど、こちらの教会の目玉は左右の側廊奥にあるアプスのモザイクなのです。
左側廊はこんな感じです。
側廊という割には幅もたっぷり椅子まで付いていて、すごく立派な造りにビックリです。
この教会横幅が広くて五廊式なのでこの側廊の左にもさらに側廊があります。右目をつぶってみるとこれだけでも教会のように見えませんか?
実は早々に種明かしをしちゃうと、この教会は2つの教会をドッキングさせて作った教会なのです。
まず最初に5世紀頃に最初の教会が作られました。その後しばらく放置され崩壊していたようですが11〜12世紀に2つの教会が並んで立てられました。1つは聖母マリアを祀るアッスンタ教会、もう一方が聖ジュストを祀るサン・ジュスト聖堂です。そして14世紀に統合されサン・ジュスト大聖堂として現在のような姿になったのです。
今、私たちはかつては聖母マリアに捧げられた教会の後陣にあったモザイクを見ています。12世紀のものだそうです。
中央にはイエスを抱えるマリア、左右には大天使ミカエルとガブリエルがいます。
中央の聖母子像はアヤソフィアのそれを思い出しました。マリア様のお洋服の四つ菱模様も同じです。
(参考図)アヤソフィアの聖母子像
その下は12使徒です。窓で途切れてますがその右側にもう3人います。
こちらは右側、聖ジュスト教会の後陣を飾っていた13世紀ごろのモザイクです。キリストを中心に、聖ジュストと聖セルヴォロが描かれてます。
キリストの足元! 踏まれていたのは悪の使いだそうで、鳥かと思ってびっくりしました。
その下にあるキラキラマット、ラヴェンナを彷彿とさせます。
このお方が聖ジュストです。体に纏った金地に華やかな模様の入ったマント(?)がラヴェンナっぽい。
円蓋から柱頭へかけてのモザイク、金色が乱反射してごつごつっとした質感を感じます。装飾がやっぱりラヴェ、、、(以下略)
モザイクばかりを目指してみていると、そちらばかりに気を取られて失敗することが多いです。
前の写真も撮る時はモザイクに熱中していたのですが、その下にフレスコ画があることに気づきました。かなり状態の良さそうな感じなのに、、、一体どんな絵があったのでしょう?今更ながら気になります。
教会の床には5世紀の創建当時のモザイクが一部残っていました。
ワンポイント模様みたいで可愛いかったです。