大作揃いでびっくりのアルル
オルフェウスのモザイクほか 県立古代アルル博物館 フランス
南仏のアルルです!
アルルで思いつくのはまずはゴッホですよね? ゆかりの地を巡り歩くのも楽しいです。
古代ローマ遺跡もいろいろあります。
でもなんだかんだで結局一番楽しんだのは今回ご紹介の県立古代アルル博物館でした。
私が訪れた2013年当時に出来たばかりのとってもモダンな建物の博物館。
展示品が厳選されているので空間もゆったり、全部見なきゃ〜!なんてプレッシャーもなく気持ちもゆったりで見て回れます。
見応えのある彫像や精巧なレリーフのある石棺など展示品の質もなかなかのもの。
最古と言われる(?)カエサルの像
しかもお勉強って感じではなく楽しんで見れるんです。
博物館でおきまりの古代建築の再現模型もここでは一味違う。
これはアルルの円形闘技場の模型ですが、遊び心がなんとも素敵。可愛くないですか?
アミューズメント施設にいるみたいです。
でも一番私たちにとって大切なのはモザイクですよね?
ご安心下さい。こんな感じで満足のいく質と量です。
厳選しているのか点数は多くないですがひとつひとつが見応えのあるものばかり。
私としては1回で紹介してしまうにはもったいない量です。
これら南仏の各地から寄せ集めたわけではないんです。
古代アルルの町からまとまって発掘されたというからびっくりです。
こちら4世紀頃のローマ時代のアルルです。ローヌ川左岸(南側)は公共の施設が集積してるのに対して、川を渡った右岸には住宅地があったようです。このエリアの邸宅から見つかったモザイクたちなのです。
まず始めに1900年にカマルグ通りの近くの邸宅跡から「エウローペのモザイク」が見つかりました。
ギリシア神話の挿絵にそのまま使えそうな、綺麗にまとまった作品です。
エウローペのモザイク
白い牡牛の目つきがなんとも言えないです。ゼウスが化けてエウローペーをさらってるところですが「してやったり」とばかりに満足げにほくそ笑んでいるように見えます。
表題のモザイクは同じく現在のカマルグ通りの近く、エウローペーのモザイクとは別の邸宅跡から出てきました。クビクルム(cubiculum)と呼ばれる寝室(または私室)の床を飾ってたようです。1934年の出土で3世紀後半〜4世紀頃のものとされています。
隣にはこんな幾何学模様のモザイクがあったようです。
吟遊詩人のオルフェウスは竪琴の名手です。その腕はアポロン直伝だとか。彼が竪琴を弾くと森の動物や鳥たち、草花までもがうっとりと聞き惚れるほどの超絶技巧の持ち主です。
モザイクはそんな牧歌的な様子を表してます。
確かに後ろの木、踊っているかのようなしなり方です。ちゃんと聴いているみたいですね。
まだまだ紹介していないモザイクがたくさんありますが、行ってからのお楽しみも取っておくことにしましょう。
とは言えあと一つぐらいはお見せしようかな?
ということでこの続きは次回に続きますのでお楽しみに!