リキヤ遺跡とモザイクと4
アリカンダ遺跡のモザイク群 フィニケ郊外 トルコ
リキヤシリーズ最後の記事です。
アンタルヤの西南120キロほどの海沿いにフィニケという港町があります。紀元前5世紀頃にフェニキア人によって造られた街で古代より貿易港として栄えていたそうです。
アリカンダはフィニケから40キロほど北上した山あいにありました。
アリカンダという町の名は古代アナトリアからあり、紀元前2千年紀まで遡ることができます。すぐ隣に大きな岩があったため「高い岩の隣の場所」を意味するこの名がつきました。リキヤ最古のコイン(紀元前5世紀)がここから発掘されたそうです。この町はビザンチン時代まで続きました。
斜面地にあるので高低差がすごいです。街が階段状になっているのです。
私も典型的日本人で観光プランをてんこ盛りにしちゃうのですが、普通の平地だと思っていたので割り当て時間が短すぎました。おかげで坂道や階段をヒーヒー言いながら駆けずり回ることになりました。
なのであまりゆっくりと景色を楽しむ余裕がなかったのですが、写真で見返すと良いところだったんだなあとしみじみ思います。のどかで絵になる美しい遺跡です。時間に余裕を持って出かければ楽しめただろうな。
一番目立つ建物は劇場、2世紀に建てられました。保存の状態がすごくいいです。上に登ると古代都市アリカンダの街の景色がよく見えます。
劇場の上まで登ると上のアゴラまではすぐです。確か神殿のようなものがあったと記憶してます。
この他にめぼしいものとしてはオデオン、スタジアム、ブルテリオンあたりでしょうか。意外と広かったです。
そしてなかなかモザイクらしきものが見当たりません。
散々歩き回った後にようやく下の方に屋根のかかったエリアがあることに気づきました。
なんてことはない、遺跡の一番下の層、入口を入ってすぐの所にあったのです。上の四番目の写真に写っているのがそれです。
最下層にはリキヤ最大級の複合浴場施設がありました。その隣に古代ギリシア時代のアゴラがあり12の店舗が並んでました。それぞれの部屋の床にモザイクが施されていたのです。
ここにたどり着くまで、長かった。
落ち着いて周りを見てればもう少し効率的に回れたのに、、、
最後に見つけた時の脱力感たるや、言葉では表せません。
でも入口すぐにモザイクを見つけちゃっていたら、階段だらけの遺跡を果たしてここまで歩き回れたかどうか、、、
きっと途中でくじけて諦めたでしょう。
心置き無く堪能できたし、ここでご披露できる写真も撮れたし、ようやく「良かったな!」と思えるような気がします。
アリカンダへの通り道には小さな滝のそばにある小さな市がありました。
地元ごはん、美味しかったです!